2008年2月5日(火) 6:38
シュロの大木最後の日の物語

大きなシュロの木が伐られる日。
いつもの道をいつものように歩いていた。そこにはいつもの風景が目に入ってくる、筈であったが目を疑うとはこのことか。いつか投稿したあの山畑の大イチョウの樹が葉を落して真っ直ぐに空に向かってたっている筈のイチョウの木がナイ。………。近づいてみると今伐ったばかりのイチョウの樹を片付けている人が。職人さん曰く「大きくなってしまって、倒れてきたら大変。私の代に切っておかないと。バアサン(奥さんのことでしょうね)はあのイチョウは大木で樹形もきれいだからきってほしくない、といったんだが」(私もとは言えなかった)。続いて「今日の午後横のシュロの樹を切るんだ、と。こんな大きなシュロなら相当高値で売れるんだが。いつ売れるか、売れないかわからん。売れてもヘリコプターで運ばねばならん。金もかかる。植木屋の商売もオレの代でおしまいだ。息子はサラリーマンだし。」79歳の職人さんに別れを告げる。振り返って眺めると写真に撮ってホームページにも投稿したあの樹形のきれいな大きなイチョウの樹(再掲載)がない、横に寄り添ってたっていた大きなシュロの
樹も今日の午後に伐られるという、その下で働く職人さん、79歳のおじさんの働く後姿が寂しそう。
あれから39日経った。大きなシュロの樹はまだ伐られずに山畑の地に立っている。それからはシュロの横を散策すること8度、その度シュロの勇姿をカメラに収めた。あの職人さんに再び会うときは、シュロの樹が伐られる時なのか、シュロの樹と職人さんの顔が交互によぎる。八尾市山畑にて。