2017年8月21日(月) 14:15
ジョー・オダネル

アメリカ海兵隊カメラマン、オダネルの名前を初めて知ったのは17年前、八尾ニューモラル生涯学習クラブ主催公開講演会「歴史ってこんなにおもしろい」で占部賢志先生から教わった。戦争直後の日本公式撮影の傍ら、私用カメラでありのままを撮影、戦後45年経過して写真を公開、その1枚がこの少年の写真だ。=焼き場に10歳くらいの少年がやってきた。小さな体はやせ細り、ぼろぼろの服を着てはだしだった。少年の背中には2歳にもならない幼い男の子がくくりつけられていた。係員は背中の幼児を下ろし、足元の燃え盛る火の上に乗せた。まもなく、脂の焼ける音がジュウと私の耳にも届く。炎は勢いよく燃え上がり、立ちつくす少年の顔を赤く染めた。少年は気を付けの姿勢で、じっと前を見つづけた。=講演会で見た少年の写真映像は17年経った今も鮮明である。少年の顔には今の私たちが忘れてしまったものが感じられる。