2017年6月29日(木) 22:20
散策

ある日の海岸です。
爽やかな風が吹くなか、視界に入った岩に、牡蠣を採ったあとがびっしりと残っていました。
こちらでは、牡蠣打ちといっていますが、1月から2月にかけて島の中でも、潮の流れの関係で、決まった場所にだけ牡蠣が岩に付着します。それを知る地域の人々は、長靴姿でバケツと牡蠣打ち専用の道具を持って、岩場に向かい牡蠣を採取、そして食卓で冬の味覚を堪能しています。
毎年同じ岩場に牡蠣が育つゆえ、牡蠣打ちの痕跡は、どんどん広がっています。岩は何も言わず、牡蠣の幼生(赤ちゃん)を岩に付着させ、成長すると、人間が道具や硬い石を道具に採取するため傷付けられる。岩になれば迷惑な話です。ですが岩は何も言わず受け入れています。これが自然と云えばそれまでですが、潮の流れが牡蠣の幼生を運び、岩がしっかり付着させてくれる。そして海水などから栄養を貰い、成長すれば人間が食す。改めて考えると、そこには豊富な恵みがあり、自然の営みの中で、生かされている有り難さがあると感じます。
何気ない日常の営みに、時には心を傾け、気付く大切さが必要だな、と改めて感じた岸辺の散策でした。