2016年10月24日(月) 23:21
一枚のチラシ

めざすは東大阪の喫茶美術館。(かって司馬遼太郎は常連さんだった)
近所のマンション1階は全てシャッターが降りている。喫茶店は道路から見えない。何だか千と千尋の世界に迷い込んだような雰囲気を感じながらドアを開けた。
 古いけれど広くてゆったりとした時間が流れていた。大人の空間だ。前方に席をとり赤ワインを飲みながらピアノを眺めていた。ステージが始まる。白髪の堂々とした男性が朗々と流麗な詩を吟じた。
 私はぼんやりとしていた。次に中年の男性がヘイトスピーチのことだろうか「こんな状況では生きていけない」と語った。
 遠い日に味わった詩の世界。ここに繊細な精神の持ち主が、詩人が二人もいる。共有する人達もいる。
 休憩のあと今里哲コンサートが始まった。哲さんは在日でゲイのシャンソン歌手。円熟した男性だ。辛口トークとユーモアで笑わせる。シャンソンに哲さんの人生を感じてみる。あたたかでやさしく、時に激しく。歌を一層魅力的にするピアノ演奏。
 恒例のディナーショウが十二月二十五日に帝国ホテルで開かれる。
一枚のチラシが私を幸せのドアへ導いた。(写真は今里哲ホームページ)