2015年7月24日(金) 9:16
つばめ

周防大島にあるキャンプ場。自分の勤務地でもありますが、そこには毎年春先になると、多くのつばめ達がやって来て、あちこちに巣を作っています。
今年も2月の末頃からやって来て、巣作りに専念し、いくつもの新たな命が誕生しています。今年は例年になく多くの巣ができ、様々な子育て風景を見させて貰っています。今も3つの巣で、卵から孵化した雛達が、親の運ぶ餌で日々育っているでしょうか。
つばめの卵は、大きさがおよそ2pくらいです。一つの巣に最大で5個くらいの卵を産み、夫婦は交代で卵を温め孵化させます。新たな生命が誕生すると、次は餌運びです。夫婦は交代で、餌を運び、いつしか雛達は育ち、巣から飛び立っていきます。雛達が日ごとに大きくなっていく様子は、微笑ましく、喜びを与えてくれます。ですが反面、生きる厳しさも教えてくれます。
親が餌を運んでくると、雛達は我先にと餌を求めます。元気な雛はいつも一番多く餌を与えられます。自ずと育っていく大きさに優劣が起きるのです。そして大きく育った順に、巣から飛び立って行きます。結局一番少なく餌を与えられていた雛が最後まで残り、飛び立っていきます。順調に行けば、孵化して2週間もすれば、巣は空っぽになります。
ですが、突然のアクシデントはあちこちの巣でおこるものです。
順調に育っている段階で、蛇に食べられる、昨日は5羽いたのに、朝出勤するとすべて居なくなっていることもあります。また、雀が一羽やって来て、親の居ない間に、雛達を足で巣から蹴り落とすこともあります。敵はあちこちに居るものです。
だけどそれだけではありません。例えば何かの原因で、一羽の雛が巣から落ちたとします。私達が気付き、巣に戻せば事は終わります。ですが、気付かなければ雛はそのまま。その後親はどうするでしょう。成す術もなく、ひたすら鳴き、あげくの果てに、例え巣に何羽かの雛が残っていても、無情にもすべてを見離すのです。残りの雛に餌も与えず、雛はそのまま死へ………。
自然界の厳しさだな。と思います。
長い距離を移動するつばめ達にとって、僅かの弱さも許されない、一羽でも足手まといになれば、すべて淘汰される。それが、つばめが子孫をつなげ、生きていく術なのでしょうか?
ですが、人間の私達はそこに何かを学べるのかもしれません。今、私はそれが何なのか?模索しています。